この記事を読んで「あさひなぐ」の分かる事
『あさひなぐ』は、こざき亜衣氏による日本の漫画作品で、この作品は、2011年8号（2011年1月24日発売）から2020年41号（2020年9月7日発売）までの間、『ビッグコミックスピリッツ』（小学館）において連載されていました。
本作は、高校生の部活動としては比較的マイナーなスポーツである薙刀（なぎなた）をテーマにしています。薙刀は、日本の伝統的な武道であり、優雅さと力強さを兼ね備えた競技です。『あさひなぐ』は、こうした薙刀の魅力を描きながら、青春や友情、成長をテーマにしたストーリー展開が特徴です。
多くの読者から支持を受けており、「全国書店員が選んだおすすめコミック2012」では9位にランクインしました。また、2015年には第60回（平成26年度）小学館漫画賞の一般向け部門を受賞するなど、その評価は高く2020年9月時点で、この作品のシリーズ累計発行部数は390万部を突破しており、多くのファンに愛され続けています。
2017年には、東宝による実写化企画『「あさひなぐ」プロジェクト』が発表され、齋藤飛鳥さんが主演する舞台版と、西野七瀬さんが主演する映画版が含まれています。
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「あさひなぐ」の映画実写版、ひどいかどうかは評価が分かれる
結論からいうと、『あさひなぐ』の実写映画版が「ひどい」と感じるかどうかは、原作ファンかそうでないか、また何を重視するかによって大きく評価が分かれる作品です。
その評価が分かれる理由
「あさひなぐ」、ファンの好意的なつぶやきばっかりだなぁ。
— S. Poe (@S7nP) September 22, 2017
典型的なアイドル映画。まぁ、演技力云々は期待しないが、演出の方をもうちょっとなんとかして欲しかった。ネタバレしない範囲で、冒頭、生ゴミ臭ぁな所は、普通、手で鼻を覆って顔をそむけるだろ。あれじゃ、学芸会よりひどい。
実写映画版に対する賛否両論の大きな理由は、原作漫画の持つ深みと、実写映画という限られた時間の中で表現できる内容のギャップにあります。原作漫画『あさひなぐ』は、なぎなたを通して主人公・東島旭の成長、仲間との友情、そして葛藤を丁寧に描き、それぞれのキャラクターの内面や背景も深く掘り下げています。連載期間も長く、登場人物たちの細やかな心の動きや人間関係の機微が魅力の一つです。
しかし、実写映画版では、約2時間という尺の中でこの膨大な物語を凝縮しなければなりません。そのため、多くのエピソードやキャラクター描写が省略され、原作の持つ重厚なテーマ性やキャラクターの多面的な魅力が十分に伝わりにくいという課題が生じます。
具体的な説明
映画あさひなぐは、メインキャストが全員乃木坂で完全なアイドル映画だけど、めちゃくちゃ面白いので、舐めないで欲しい。
— みちの (@pnnsn46r22) June 20, 2021
Blu-ray買って3回以上観てますが、観るたびにバイブスがアレです😊
めん！どうっ！すね！
っていうキャッチコピーも好き。 pic.twitter.com/pAAMlxJkA2
具体的な不満点として挙げられるのは、主に以下の点です。
1. キャラクター描写の不足と改変
原作ファンにとって、愛着のあるキャラクターたちが映画でどのように描かれるかは非常に重要なポイントです。しかし、実写映画版では、尺の都合上、多くのキャラクターが掘り下げ不足に感じられます。例えば、主人公の東島旭はもちろん、彼女を取り巻く八十村、紺野、宮路、そして憧れの先輩である真春などの主要キャラクターでさえ、原作で見られた心の葛藤や成長の過程が簡略化されています。
特に、原作では各キャラクターが抱える個人的な悩みや、なぎなたに対するそれぞれの向き合い方が丁寧に描かれており、それが読者の共感を呼んでいました。しかし、映画ではそうした描写が削られたため、キャラクターたちが記号的に見えたり、感情移入しにくかったりするという声があります。
また、一部のキャラクター設定や性格が原作と異なると感じられる改変も、ファンからは不満の対象となりました。特に、感情表現が豊かだったり、繊細な内面を持っていたりするキャラクターが、映画ではステレオタイプな性格に描かれがちで、原作のキャラクター像との乖離を感じる方も少なくありませんでした。
2. 物語の急展開と省略
原作漫画は、旭がなぎなたに出会い、初心者ながらも仲間とともに成長していく過程を、ゆっくりとしたテンポで丁寧に描いています。練習の厳しさ、試合の緊張感、仲間との絆、そして敗北から学び、立ち上がる姿など、一つ一つの出来事を時間をかけて描写することで、読者は感情移入し、登場人物たちの成長を実感できました。
しかし、実写映画版では、物語が非常にスピーディーに進みます。多くのエピソードが駆け足で描かれ、時には重要な出来事やキャラクター間のやりとりが省略されてしまうため、原作を読んでいるファンからすると「なぜこのシーンがないのか」「この展開は唐突すぎる」と感じてしまうことがあります。特に、なぎなたの技術習得の過程や、部員たちが抱える葛藤の描写が浅く、「スポ根ものとしての熱量が伝わりにくい」という意見も聞かれました。
3. なぎなた描写のリアリティと迫力
なぎなたをテーマにした作品である以上、なぎなたの描写は非常に重要です。原作漫画では、なぎなたの動きや技の解説が詳細に描かれており、その迫力や美しさが伝わってきます。
実写映画版では、演じているのがアイドルグループのメンバーということもあり、演技力はもちろんのこと、なぎなたの技術的な面や試合の迫力をどこまで表現できるかが注目されました。もちろん、役者の方々は撮影に際して厳しい練習を重ねたことと思いますが、それでも原作の持つリアリティや迫力には及ばないと感じる方もいました。特に、試合シーンでの動きや、なぎなたの重み、スピード感などが物足りなく感じられるという声も一部で上がっています。
4. 乃木坂46のファン層へのアピール
実写映画版では、主演に乃木坂46の西野七瀬さん、その他の主要キャストにも同グループのメンバーが多数起用されました。これは、作品の認知度を高め、より多くの観客を劇場に呼び込むための戦略としては非常に有効でした。実際、乃木坂46のファン層からは高く評価され、彼女たちの演技に魅力を感じたという声も多く聞かれました。
しかし、その一方で、原作を重視するファンからは、「乃木坂46のプロモーション色が強い」と感じられるという批判も上がりました。アイドル映画としての側面が強く出てしまい、本来の物語性やなぎなたという競技の魅力が薄れてしまったと捉える方もいたようです。これは、映画のターゲット層が原作ファンとアイドルファンで必ずしも一致しないことによる、ある種のジレンマと言えるでしょう。
自分自身あんまり映画やドラマの批判はしないがこれはトップレベルで最悪です。まさに駄作。内容は薄いし 演技も全くそそられないし 見れるもんじゃないです。完全に乃木坂というブランドで成り立っている文化祭レベル動画です。
引用元：映画.com
全く見る価値はありません。可愛い顔以外全て最悪です。ファンでないひとは見ないことをおすすめする。
まとめ
上記の点を踏まえると、『あさひなぐ』の実写映画版が「ひどい」と感じるかどうかは、原作の忠実な再現度やキャラクターの掘り下げを重視する原作ファンにとっては物足りなく感じる可能性がある一方で、乃木坂46のファンや、原作を知らずに気軽に楽しめる青春映画として観る方にとっては、十分に楽しめる作品であったと言えます。
決して「ひどい」と一概に切り捨てることはできず、むしろ作品への期待値や視聴者の視点によって評価が大きく分かれる、非常に興味深い作品であると言えるでしょう。もしこれからご覧になるのであれば、原作と比較せずに、一つの青春映画として楽しむという視点を持つと、よりフラットな気持ちで作品を評価できるかもしれません。
『あさひなぐ』実写映画版はキャスト乃木坂46はハマらなかったのか？
結論からいうと、漫画『あさひなぐ』の実写映画版において、乃木坂46のキャストが「ハマらなかった」と感じるかどうかは、視聴者の『あさひなぐ』という作品に対する期待値や、乃木坂46メンバーへの思い入れによって意見が大きく分かれる点です。
その評価が分かれる理由
| キャスト名 | 役名 |
|---|---|
| 西野七瀬 | 東島旭 |
| 白石麻衣 | 宮地真春 |
| 桜井玲香 | 八十村将子 |
| 松村沙友理 | 紺野さくら |
| 伊藤万理華 | 野上えり |
| 富田望生 | 大倉文乃 |
| 生田絵梨花 | 一堂寧々 |
| 松本妃代 | 水野沙織 |
| 岡野真也 | 大友明子 |
| 江田友莉亜 | 井上淳子 |
| 紀咲凪 | 栗田紀子 |
| 北原帆夏 | 猪又恵 |
| 樋口柚子 | 寒河江純 |
| 緒方もも | 的林つぐみ |
| 宮田祐奈 | 三須英子 |
| 松田佳央理 | 安藤真琴 |
| 中村倫也 | 小林先生 |
| 森永悠希 | 宮地夏之 |
| 角替和枝 | 依田理事 |
| 江口のりこ | 寿慶 |
個人的に漫画原作ファンとしては、見た目の雰囲気は最高に合ったキャスティングに思えましたよ！
乃木坂46のキャストが「ハマらなかった」と感じる主な理由は、原作漫画が持つキャラクターの複雑な内面や、なぎなたという競技の専門性が、アイドルである彼女たちの演技や表現力、そして実写映画の尺の中で十分に表現しきれなかったという点に集約されます。原作ファンは、長年読み続けてきたキャラクターへの強いイメージを持っており、それと実写版の乖離に違和感を覚えることが多々ありました。
具体的な説明
具体的な「ハマらなかった」と感じられる点、そしてその背景について詳しく見ていきましょう。
1. 原作キャラクターのイメージとの乖離
『あさひなぐ』の原作漫画は、登場人物一人ひとりの個性が際立っており、それぞれが抱える悩みや葛藤、成長が丁寧に描かれています。主人公の東島旭は、引っ込み思案ながらもなぎなたを通して強く成長していく姿が共感を呼び、八十村将子や紺野さくら、宮路真春といった主要キャラクターも、それぞれが独自の魅力と深みを持っています。
しかし、実写映画版では、これらの複雑なキャラクター性を短時間で表現する必要があるため、どうしても表面的な描写にとどまってしまう傾向がありました。乃木坂46のメンバーはそれぞれがアイドルとして確立された個性を持っていますが、それがかえって原作キャラクターのイメージに合わないと感じるファンもいました。
例えば、主人公の東島旭を演じた西野七瀬さんは、当時グループの中心メンバーであり、その可愛らしいイメージが強い方でした。しかし、原作の旭は、どちらかというと地味で運動神経も悪い、ごく普通の女の子が努力して成長していく姿が魅力です。西野さんの持つアイドルとしてのオーラや、既に完成されたビジュアルが、原作の「ダサくて不器用な主人公」というイメージとは少し異なって見えたという意見がありました。もちろん、西野さん自身は演技に真摯に取り組みましたが、原作ファンの持つイメージを完全に払拭することは難しかったと言えるでしょう。
また、宮路真春を演じた白石麻衣さんは、グループ随一の美貌と存在感を持つ方です。原作の真春は、クールでストイックながらも、内には熱い情熱を秘めているキャラクターです。白石さんの演技は一定の評価を得ましたが、真春の持つ「人間的な不器用さ」や「意外な可愛らしさ」といった側面が、映画では十分に描かれなかったと感じる声もありました。ビジュアル面でのハマり具合は高かったものの、キャラクターの深みまで再現するには尺が足りなかった、という見方もできます。
紺野さくらや八十村将子といった他のキャラクターについても、それぞれのメンバーの演技や外見が、ファンの持つ原作イメージと完全に合致しなかったという声は少なくありませんでした。特に、なぎなた部という女子だけの世界で繰り広げられる、繊細な人間関係や感情の機微が、アイドルたちの演技では十分に伝わらなかったと感じるファンもいたようです。
2. なぎなたの表現とリアリティ
『あさひなぐ』は、なぎなたという武道をテーマにした作品であり、その魅力はなぎなたの迫力ある描写や、競技を通して成長する姿にあります。乃木坂46のメンバーは、撮影のために猛特訓を積んだことは間違いありません。しかし、それでも長年なぎなたに打ち込んできた者の動きや、試合の緊迫感を表現するには限界があったという指摘があります。
例えば、試合シーンでの間合いの取り方や、技のキレ、そして一本取った時の迫力などが、原作漫画のダイナミックな表現に比べて物足りなく感じられることがありました。これは、「アイドルが演じている」という前提が、どうしても観客の評価に影響を与えてしまう側面もあるかもしれません。純粋になぎなたの競技性を追求する視点から見ると、物足りなさを感じるのは当然のことだったとも言えます。
3. 「アイドル映画」としての側面
実写映画版『あさひなぐ』は、乃木坂46のメンバーが多数出演していることから、「乃木坂46のファンに向けた映画」という側面が非常に強かったです。実際に、乃木坂46のファンからは、推しメンが活躍する姿を見られたことや、メンバーの演技に感動したという声が多数上がっており、興行的にも成功を収めました。
しかし、この「アイドル映画」としての側面が、原作の持つ普遍的なテーマ性や、なぎなたという競技の魅力を薄めてしまったと感じる原作ファンもいました。キャラクターの内面描写や物語の深みよりも、乃木坂46メンバーの可愛らしさや、彼女たちの成長を描くことに重点が置かれているように見え、結果として「原作が持つ魅力が十分に伝わらなかった」という評価に繋がってしまったと考えられます。
まとめ
以上の点を総合すると、漫画『あさひなぐ』の実写映画版で乃木坂46のキャストが「ハマらなかった」と感じる声があるのは、原作ファンが抱くキャラクターへの強いイメージや、作品に求めるリアリティと深みが、アイドルである乃木坂46のメンバーの演技や、映画という媒体の制約の中で表現しきれなかったためと言えるでしょう。
しかし、これは決して乃木坂46のメンバーの演技力が低いということを意味するものではありません。彼女たちは真摯に役と向き合い、それぞれのベストを尽くしました。むしろ、原作が持つ世界観やキャラクターが非常に魅力的で奥行きが深かったからこそ、実写化の難しさが浮き彫りになった、と捉えることもできます。乃木坂46のファンにとっては、メンバーの新たな一面を見られる貴重な機会となり、作品としても一定の評価を得ています。
したがって、乃木坂46のキャストが「ハマらなかった」という評価は、原作ファンが作品に求めるクオリティと、アイドル映画としてのエンターテインメント性との間で生じたギャップが主な要因であり、どちらの視点から見るかによって意見が分かれるのが実情と言えるでしょう。
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まとめ：『あさひなぐ』筆者レビュー評価感想
漫画『あさひなぐ』の実写映画は、個人的には原作漫画と同様に非常に面白く、決して「ひどい」と感じる内容ではありませんでした。むしろ、原作の魅力をしっかりと捉えつつ、実写ならではの良さを引き出していると感じています。
私が実写映画版を高く評価する理由は、主に原作の持つ「なぎなたを通して成長する青春群像劇」という本質を捉え、それを実写で丁寧に表現しようと努めていた点にあります。もちろん、漫画と映画では表現方法や尺の制約が異なるため、すべてを原作通りに描くことは不不可能です。しかし、限られた時間の中で、主要キャラクターたちの心情やなぎなたに対する情熱、そして友情がしっかりと描かれていた点が、私にとっては非常に魅力的でした。
原作ファンの方々の中には、それぞれに強い思い入れがあるため、映画に対する評価が分かれるのは当然のことです。しかし、原作を知らない方や、青春群像劇として映画を楽しみたい方にとっては、十分に感動と興奮を与えてくれる作品だったのではないでしょうか。私にとっては、漫画の世界観をさらに深く体験させてくれる、素晴らしい実写化でした。
